超俗で稚拙の内にみせる枯淡芸術、熊谷守一の世界。
熱いファンの支持は続き、
希少な作品を集め16年ぶりの開催となりました。
独特の簡潔なデッサンと格調高い作風で「東洋のマチス」と
評された熊谷守一は、長い不遇の末、昭和38年にパリの個展で
一躍評価が高まる。昭和42年に 文化勲章、昭和47年 には勲三等叙勲の
内示を受けるも、「これ以上人が来るようになってもこまる。」また
「特別お国のためにしたことがない。」と辞退。97歳で永眠するまで
金も名誉もいらぬと世俗の欲とは無縁で、ただ生きることに輝き、
毎日のささやかな発見が喜びだった。
自然の摂理が簡潔に表現されたその作品には、宇宙の悠久の時が流れる。
熊谷守一の人生は即芸術だったのだろう。
ご高覧下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
画廊ビュッフェファイヴ
「はぜ紅葉」 シルクスクリーン 37.7×45.8cm
撮影:藤森 武
「椿」 墨彩画 37.7×45.8cm
「天下太平」 書・掛軸 68.2×33.8cm