祇園南海にはじまる紀州の南画は徳川家十代治宝の庇護を受け玉洲、介石によって頂点を極めた。その脈絡は昭和初期まで営々と巷の人気を博した。それは特に茶道関係者によって、その良さ味わいが理解され、且つ重宝がられ、紀州のやきもの<瑞芝・男山・偕楽園>と共に“紀州もの”として画人(作家)の多くを輩出して万全な需要を満した。しかし、昭和初期あたりで画人達も途絶え、近代は好者の蒐集美術品として市場では入手難となり、南画展等は困難を極めますが、今展の展覧はビュッフェファイヴの年間を通して一回開催を固持したい目標としてのお約束の催しと思っています。どうぞご高覧の程お待ち申し上げます。
「遊散図」
絹本著色
岩瀬 広隆
「懸崖梅図」
紙本墨彩・文化13年
野呂 介石
「夏景山水図」 絹本著色 前田 有竹
「春景山水図」 絹本著色 鎌田 景麟
「山水図」
絹本淡彩
桑山 玉洲
「黒牛瀉(歌)」
紙本書
本居 大平