次代を担う米良道博
近世和歌山画壇の話題になると 軌外、龍門、原 勝四郎の名前が出る。 そのあと後続の作家は誰なのだろう 次代は誰が繋ぐのか、百花繚乱 賛否両論、 きらめく群星の中から 先ずは昭和三年の二科会で初入選、 あの名立たる小出楢重に 鬼才現ると激賞された那智の神官、 熊野別当職にあった米良道博を 推さねばなるまいか。 軽妙な水墨画を熟し、 油彩画に意表をつく色彩を駆使して はち切れんばかりの表現、 少年の頃 那智瀑布の大きい石になりたい、 大杉になりたいと願ったという。 明快で強烈な感性を持つ異才だった。 弥生 三月の逸品展は 米良道博コレクションより 優れた十選を中心に 木版画コレクション、 織田廣喜の旧作などを 紹介させていただこうと存じます。
米良 道博 「アネモネと静物」 油彩 10号
米良 道博 「ボルトの公園」 油彩 20号
米良 道博 「静物・花」 油彩 20号
織田 廣喜 「裸婦」 油彩 3号
清宮 質文 「山頂の湖」 1981年 木版 ED:35 19.5×26cm
柿崎 兆 「1972 水門」 1987年 木版 ED:9 25×20.5cm