版画家・小林美佐子は銅版画とリトグラフの上に手彩色を施し、
人間の究極の存在の証である"身体"をモチーフとして独特な世界を創り出します。
幻想的な空間の中、コスチュームに身を包む顔を見せない女性たち。
現代的であり、想像と妄想を掻き立てる画面は耽美的(たんび)に表現されます。
現代が生み出した慣習や、社会に影響を受け翻弄される人間の面白さと危惧、
そしてその奥底にある魅力について感じ取っていただければと思います。
いま国内外で注目を集める期待の作家、最新作を含めた20余選、
和歌山初個展でございます。
ご高覧頂きますよう御来廊お待ち申し上げます。
「正体」 2012年 銅版、リトグラフ、手彩色 56×66cm
●略歴
1985年 神奈川県出身
2011年 女子美術大学大学院美術研究科 版画領域卒業
2012年 女子美術大学美術教育専攻助手
東京、大阪、群馬、バングラデシュ、 中国などで個展・グループ展開催
第33回、35回 全国大学版画 町田美術館買い上げ賞受賞
女子美術大学卒業制作作品 JAM買い上げ賞受賞
浜口陽三生誕百年銅版画大賞 (国際コンクール) 準グランプリ受賞
第11回 浜松市美術館 版画大賞展 奨励賞受賞
奨学賞 大久保婦久子賞受賞
町田市国際版画美術館JAM (女子美術大学美術館)収蔵
「化粧 其の三」 2012年 銅版、リトグラフ、手彩色 72,5×53cm
「語り 其の二」 2014年 銅版、リトグラフ、手彩色 22,7×15,8cm
「日常に潜む境界 - 覗く人 - 」 2014年 銅版、リトグラフ、手彩色 81×113cm
「深海」 2014年 銅版、リトグラフ、手彩色 53×72,83cm
「声の主」 2014年 銅版、リトグラフ、手彩色・軸装 38×25cm
「樹海」 2015年 銅版、リトグラフ、手彩色 27,3×27,3cm